西板線とは元々東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の「西新井駅」から東武東上線の「上板橋駅」まで結ぶ計画があった路線である。
その名残として残っているのが、スカイツリーライン沿線に住む方なら初詣で一度は使ったことのあるだろう「大師線」である。
大師線は「西新井」から初詣で賑わう西新井大師の目の前に位置する「大師前駅」までの1キロを結ぶ短い路線だ。
実は元々、現終点の「大師前」から先までの計画で、東上線の「上板橋」までつながる予定だった。
西板線の計画から中止まで
西板線の計画の話は戦前にまで遡る。
当時(現在もだが)東武鉄道として本線系統と繋がりのない東上線と本線である伊勢崎線をつなげるために計画された。
しかし、関東大震災の復興や未買取用地の高騰や発展による建物の建設によって、既に開通していた「大師前」までで計画は中止となり、路線名も大師線となった。
もしこの計画が実行されていたら
前述の通り、現在もなお、スカイツリーラインと東上線は繋がっておらず、他の鉄道も通っていない、いわゆる鉄道空白地帯だ。
それ故に、この路線が通るはずだった環七沿いは慢性的な渋滞で、そこを通る路線バスは常に混雑しており、朝夕の通勤ラッシュ時は地獄絵図だ。
現に、スカイツリーライン沿線民が東上線を利用するには「北千住」でJRに乗り継ぎ、場所によっては都内でも1時間近くかけて「池袋」まで出なくてはならない。
よって、この計画が実行されていたなら、今まで行きづらかった「池袋」、さらには「新宿」にも30分足らずで行けるようになっていただろう。
さらには、通勤通学に欠かせない路線となり、環七通りの混雑緩和にも大きく貢献していただろう。
それだけに非常にもったいない話だなぁと思う。
まとめ
この路線に関わらず、23区内の外側の鉄道アクセス面がまだまだ開発の余地があると思う。
距離としてはそれ程遠くないのに一回中心部に出て何度も乗り換えしなくてはならない場所がかなりあるなと思ったので、用地の確保や建設費を安く抑えられる方法でもっと便利になればなと思う。